各事業内容
1. 診療報酬の審査支払
診療報酬とは、被保険者が保険医療機関(病院等)で療養の給付(診療、薬剤、手術などの治療)を受けた場合、その報酬として保険者から保険医療機関に支払われるものであります。本会では、国民健康保険診療報酬、後期高齢者医療診療報酬、公費負担医療に係る診療報酬の審査支払事務を保険者から委託を受け審査及び支払に関する事務を処理しております。この事業は、本会において大きなウエイトを占め、人員的にも定数の49%、23名の職員が毎月約70万件の診療報酬請求明細書(レセプト)の迅速・適正かつ公平な処理に努めております。
(昭和51年4月から実施)
沖縄県国民健康保険診療報酬審査委員会
沖縄県国民健康保険診療報酬審査委員会(以下「審査委員会」という。)は、国民健康保険法第87条の規定により診療報酬の審査の統一と公正を図るため、連合会に設置することになっております。構成は、保険医・保険薬剤師を代表する委員、保険者を代表する委員及び公益を代表する委員の三者構成で各同数を以て組織され、委員の選任にあたっては県知事が委嘱しております。
審査委員会では、保険医療機関から請求のあった診療報酬請求明細書について、保険医療養担当規則や、法の定める準則等の算定方法に照らして適正か否かを審査しております。
なお、審査委員会は、審査及び支払の公正かつ適正を図るため、委員会内にそれぞれ部会を設置しております。
本県の審査委員会は次のとおりの組織構成となっております。
2.保険者事務の共同処理
(1) 保険者事務電算共同処理事業
保険者が行なう国保事務のうち、各保険者に共通する事務を一元的に電算共同処理することにより、事務の合理化や経費の節減を図りつつ、各種の行政需要に対応する情報等を提供しております。今後、医療費の適正化や保健事業の活動に充実強化が期待でき、ますます必要とされる事業といえます。
(昭和59年10月から実施)
なお、平成18年5月からは、国民健康保険中央会が全国の意見を集約して開発した全国標準の新共同電算処理システムを導入して処理効率向上を図っています。
(2) IJネット
本会と保険者との間にオンラインによるネットワークを構築し、共同電算処理事業等をはじめ各種情報を保険者に迅速、的確に提供し、情報の有効な活用を図ることを目的として開通しております。
(平成12年4月から実施)
(3) 国保広報共同事業
国民健康保険制度の啓発と国保税(料)の収納率向上をはじめ、新・国保3%推進運動の目標達成のため、被保険者向けにマスコミ媒体などを活用した広報活動を行なっております。同事業は、市町村保険者の強い要望を受けて平成6年度から実施しております。
広報共同事業の範囲
ア.テレビ3分間番組「がんじゅうタイム」の放映
イ.テレビスポットCMの放映
ウ.ラジオスポットCMの放送
エ.機関誌「沖縄の国保」の発刊
オ.国民健康保険事業安定化推進運動の展開
カ.ポスタ-の作成(被保険者証更新用、安定化推進月間用、特定健診・特定保健指導用)
(4) 介護広報共同事業
介護保険制度の趣旨普及や介護予防、介護サービス適正利用、保険料の納付促進を啓発し、介護保険事業運営の健全化に資することを目的に、各種媒体を活用した広報事業を展開しております。
(平成11年9月から実施)
介護広報共同事業の範囲
ア.テレビ3分間番組の放映
イ.ラジオ120秒CMの放送
ウ.テレビスポットCMの放映
エ.ラジオスポットCMの放送
(5) レセプト点検事務共同事業
レセプト点検事務は、保険者等が医療費の適正化を図るため、重要な事業の一つではありますが、保険者が小規模のため或いはこれを担当する者の確保が困難という場合、本会が保険者等の委託を受け、平成9年度から専門員を配置し同事業を行なっております。
なお、平成20年度より後期高齢者医療の一部を受託しております。
レセプト点検共同事業の範囲
① 縦覧点検
② 診療報酬明細書(レセプト)の点検事務(資格も含む)
③ 交通事故が疑われる診療報酬明細書の抽出
④ 結核・精神診療報酬明細書の抽出
⑤ その他、レセプト点検事務に必要な事項
3.保健事業
本会では、国民健康保険事業の運営安定化を図るため、市町村保健師及び保健活動関係者を対象とした研修会を始め、保健情報の提供、市町村における保健活動の支援を行なっております。
また、沖縄県市町村保健師業務研究会の事務局も兼ねております。
(1) 保健師等市町村関係職員研修会
①国保・後期・保健・福祉・介護担当課長並びに保健師合同会議
②保健師研修会及び保健師業務研究発表会
③市町村新任(中堅)保健師研修会
(2) 保険者支援事業
①市町村が主催する健康まつり、福祉まつり等への支援
被保険者の健康管理の充実を図るため開催される健康まつり等への、諸資料の提供、健康パネル、健康ビデオ等の貸し出しを行なっています。
②特定健診・特定保健指導支援事業
地域の実情に即した保健指導実践計画策定および効果的な保健指導実践へ向けた専門職の資質向上を目的とする事業です。
③特定保健指導研修会
特定保健指導等を行う保健師、栄養士、看護師等が効果的かつ効率的な保健指導が行えるよう実践研修会を開催しております。
④保険者協議会
県内の各医療保険保険者と連携して地域における保健事業等を積極的に推進し、被保険者等の健康保持増進を図るとともに、医療保険者の円滑な事業運営の支援を行います。また、平成20年度より特定保健指導研修事業も実施しております。
(3)特定健診等費用決済業務およびデータ管理業務
特定健診等費用の請求・支払業務および健診等データ管理業務を行います。
4.研修事業
保険者相互の連絡調整を図るとともに、複雑多様化する保険者事務に対応するため、市町村理事者並びに担当職員を対象とした各種会議及び研修会を開催しております。
(1) 国民健康保険運営協議会会長並びに同主管課部長・課長合同会議
(2) 市町村国保担当職員研修会(県国保課と共催)
(3) 市町村国保税(料)徴収担当職員研修会
(4) 国保担当新任職員研修会(県国保課と共催)
(5) 国民健康保険中央会・国保連合会九州地方協議会主催による会議及び研修会
5.第三者行為求償事務
市町村及び後期高齢者医療広域連合は、給付事由が第三者の行為によって生じた保険給付を行った場合、その給付の限度において、被保険者が第三者に対して有している損害賠償の請求権を取得(国保法第64条第1項、高齢者の医療の確保に関する法律第58条第1項)します。市町村及び後期高齢者医療広域連合が、この取得した損害賠償請求権を行使するために行う事務を第三者行為求償事務といい、医療費適正化、国保財政の安定化を図るうえで極めて重要な業務です。特に自動車社会の現代においてはその大部分を交通事故が占めておりますが、昨今では社会状況の変化に伴い傷害事件等内容も複雑多様化しており、その対処にあたっては高度・専門的な知識を要することから難解かつ困難な事務といわれております。
このようなことから、市町村及び後期高齢者医療広域連合はその求償事務を、国保法第64条第3項及び、高齢者の医療の確保に関する法律第58条第3項によって、国保連合会に委託できることとなりました。
(昭和59年4月から業務開始)
(1)求償事務の受託範囲
①自動車損害賠償保障法に基づく損害賠償責任保険及び損害賠償責任共済(以下「自賠責保険」という。)に対する賠償金の請求及び収納
②自動車保険契約及び自動車共済契約(以下「任意保険」という。)に対する賠償金の請求及び収納
③加害者に対する賠償金の直接請求及び収納
④調査・照会及び通報に関すること
6.調査統計
保険者の事業運営に資するため、統計資料を作成配付しております。また、市町村の要望に応えて、保険税(料)の賦課シミュレーションを行っております。
(1) 保険税(料)賦課シミュレーション
適正な保険税(料)の賦課算定に資するため、全市町村に保険税(料)シミュレ-ションソフトを配付しております。
また、市町村の要望に応じて本会でも保険税(料)のシミュレ-ションを行ないます。
(2) 調査統計資料の作成配付
①おきなわ国保の状況
国民健健康保険事業の保険者事業年報をもとに、その一般状況、医療の給付状況並びに国保 税(料)賦課・徴収状況を図表により示したものです。
②国保連ガイドブック
本会の概要及び事業内容等を掲載しており、各保険者の参考資料として活用していただいております。
(3) その他の調査・統計
毎年行なわれている調査・統計の他に制度改正についての基礎資料や会議等における調査・統計資料も作成しております。
7.母子保健健康診査費審査支払
母子保健事業は、都道府県(保健所)が実施主体となって行なってまいりましたが、平成9年4月1日から市町村へ委譲されたことに伴い、市町村は、同事業のうち健康診査にかかる審査支払業務を平成9年9月から本会に委託することになりました。
業務の範囲
母子保健法第12条及び13条に規定する妊婦一般診査、同精密健康診査並びに乳幼児及び1歳6ヶ月児、3歳児の精密健康診査に関する審査及び支払業務となっております。
8. 国民健康保険制度推進のための活動
国民健康保険制度の改善と財政基盤の充実強化を図るために国及び国会議員に対し陳情要請運動を行なっております。
(1)国民健康保険制度改善強化全国大会を通じての運動
(2)国民健康保険中央会を通じての運動
(3)国保予算に係る国保助成等陳情運動
(4)国民健康保険事業に対する県費助成の陳情
(5)その他
9. 新・国保3%推進運動の支援拡充
「国保3%推進運動」がスタートした昭和62年と比べて、国民健康保険制度を取りまく状況が大きく変化していることを重視し、同運動を平成10年度から認識を新たにした「新・国保3%推進運動」と改称し、これまで各保険者が取り組んでいた3%の下記目標を、国保連合会も参画した形で要介護支援者を減少させることにポイントをおいた保健事業の展開、老人医療費を中心とした医療費適正化の徹底や審査の充実等を打ち出し、21世紀に向けた国保陣営の新たな経営努力の指針とした。
「新・国保3%推進運動」の目標
◎国保税(料)の収納率を1%以上引き上げること
◎医療費適正化対策により医療費の1%以上の財政効果を上げること
◎保健事業活動を推進するため保健事業費として国保税(料)の1%以上を確保すること
本会ではこの運動の一環として、県との共催事業、広報事業等の実施並びに小規模保険者の事業運営について支援を行なうなど、保険者に対し効果が上がるよう努めております。
10. 介護保険事業関係業務
保険者の委託を受けて介護給付費の審査支払及び保険者事務共同処理業務を行っています。また、介護給付適正化対策事業に伴う分析資料を提供し、保険者支援を行っています。
介護サービス苦情処理業務においては、介護保険の円滑な運用に資するため、被保険者等からの苦情の受付も併せて行っております。
平成19年10月より障害者自立支援事業関係業務、平成20年4月より保険料(税)特別徴収事務を行っております。
(1)介護給付費審査委員会
(2)保険者事務共同処理業務
(3)介護サービス苦情処理
(4)介護給付適正化対策事業
(5)介護給付費審査支払業務
(6)障害者自立支援事業関係業務(平成19年10月から実施)